肝臓移植について (作成中です)
肝臓移植について
肝臓移植とは、障害を受けた肝臓や疾患のある肝臓を摘出し、提供された肝臓に置き換える治療です。小児では、胆道閉鎖症などによって肝硬変・肝不全となった場合、先天性の代謝異常疾患、自己免疫性疾患、切除が難しい肝芽腫などに対して、治療の選択肢の一つとして行われます。
日本国内では、〔集計時点〕までに〔件数〕例の肝臓移植が行われており、そのうち18歳未満の小児に対する肝臓移植は〔件数〕例です(出典:日本肝移植学会 肝移植症例登録報告、〔報告年〕)。
日本では小児の肝臓移植の多くが生体肝移植で、ドナー(提供者)はご両親のいずれかであることが多く、健康状態や肝臓の状態について十分な検査を行ったうえで、肝臓の一部が移植されます(切除する範囲はお子さんの体格に応じて異なります)。2009年に改正され2010年に全面施行された臓器移植法により、脳死下での臓器提供が行われるようになり、小児優先ルールも設けられています。
移植の準備

レシピエント(移植を受ける方)とドナー(提供する方)の双方について、専門のコーディネーターが準備をお手伝いします。通常は1か月程度かけて検査を進めますが、緊急の場合には1週間以内に準備を整えることもあります。
手術の方法
小児の肝臓移植では、主に肝臓の左側の一部を用います。レシピエントとドナーの肝臓の体積に応じて、移植する部分を決定します。体格の小さな乳児では、肝臓全体の約4分の1から5分の1にあたる外側区域が選択されます。当院では、腹腔鏡を用いたグラフト採取術も行っています(適応は個別に判断します)。ドナー手術の詳細は慶應義塾大学 一般・消化器外科のページをご覧ください。

ドナーの方から取り出された肝臓は、レシピエントに移され、肝臓の出口の血管(肝静脈)、入口の血管(門脈と肝動脈)、そして胆汁の通り道である胆管をつなぎ合わせます。
手術のあとの経過
経過には個人差がありますが、手術後1〜2週間は集中治療室で管理し、その後は一般病棟で1〜2か月程度の入院が必要となることが一般的です。退院後しばらくは1〜2週間ごとに通院していただき、経過に応じて間隔を延ばしていきます。術後1年以降は1〜3か月ごとの通院となることが多く、日常生活を送れるようになる方が多くいらっしゃいますが、経過には個人差があります。

経過を左右する主な要因は、手術前の全身の状態、移植された肝臓に対する拒絶反応、および拒絶反応を防ぐための免疫抑制剤によって抵抗力が低下することに伴う細菌・真菌・ウイルスなどの感染症です。免疫抑制剤は原則として続けて内服する必要があり、外来通院のたびに採血で肝機能を確認し、薬の量を調節していきます。
当院の肝臓移植の件数と生存

当院では、〔集計期間〕に〔件数〕例の生体・脳死肝臓移植を行っています。このうち小児の肝臓移植における5年生存率は92.4%、胆道閉鎖症などの胆汁うっ滞性疾患では96.3%です。
算出根拠:対象は〔対象症例の範囲〕、対象症例数〔n〕例、集計期間〔YYYY年〜YYYY年〕、〔Kaplan-Meier法等の算出方法〕によります。出典:〔院内集計/登録データ等の別と参照日〕。治療の結果には個人差があり、同じ結果が得られることをお約束するものではありません。

当院では、移植後の経過を長期にわたって確認するため、定期的な肝臓の組織検査を行っています。あわせて、採血だけでは分からない肝組織の線維化の検出、抗ドナー抗体(移植された肝臓に対する抗体)の解析、新しいバイオマーカーを用いた免疫抑制剤の調整方法について研究に取り組んでいます。これらは研究として実施しているものであり、確立した標準的な診療として位置づけられているものではありません。
このページの監修:慶應義塾大学医学部小児外科