腸管不全・小腸移植について (作成中です)

腸管不全について

  1. 短腸症候群:血流障害・感染・外傷・腫瘍などのために小腸の大部分が外科的に切除された状態(中腸軸捻転、腹壁破裂、外傷、壊死性腸炎、腸閉鎖、腫瘍など)
  2. 運動機能障害:腸の壁の筋肉が十分にはたらかず、食べたものを効率よく運べない状態(ヒルシュスプルング病、ヒルシュスプルング病類縁疾患、慢性特発性偽性腸閉塞など)
  3. 消化・吸収障害:腸管があるにもかかわらず、水分や栄養素を十分に吸収できない状態(クローン病、微絨毛封入体病、難治性下痢など)

腸管不全とは、腸から水分や栄養を十分に吸収できなくなった状態をいい、大きく次のように分類されます。

腸から栄養をとれない場合でも、静脈からの栄養によって生活を続けることができます。一方で、長期にわたると感染症や肝障害が起こることがあり、点滴のための血管を確保しにくくなることもあります。また、食事を十分にとることが難しくなります。当院では、栄養管理、外科的管理、感染症対策、そして小腸移植までを含めて、腸管機能リハビリテーションとして継続的に診療にあたっています。

腸管不全の治療には、保険診療として確立しているものと、研究段階にあるものがあります。どの選択肢が検討の対象になりうるかは、病状や年齢によって異なりますので、ご相談の際にご説明します。

腸管機能リハビリテーションの流れを示した図。静脈栄養サポート、経腸栄養サポート、特殊脂肪製剤・薬物療法、カテーテル管理、自己腸管を用いた腸管形成術、瘻孔管理・狭窄管理・ストーマ変更・腸管延長術、小腸移植までの段階を示す
【 腸管機能リハビリテーションの流れ 】
慶應義塾大学病院における腸管機能リハビリテーションの診療体制図。外科・小児外科、中央手術室、臓器移植センター、栄養サポートチーム(NST)・管理栄養士、小児科、消化器内科、精神・神経科、感染制御センター、内視鏡センター、外来・病棟看護師、薬剤部、医療連携室・在宅診療、公費助成医療事務、皮膚・排泄ケア認定看護師などの多職種連携を示す
【 当院における腸管機能リハビリテーションの体制 】

小腸移植について

小腸移植は、障害を受けた小腸や疾患のある小腸を摘出し、提供された小腸に置き換える治療です。腸管不全の患者さんのうち、静脈栄養の継続が難しくなった方、重い血流感染症を繰り返す方、長期の入院・腹痛・嘔吐・社会生活の制限などにより生活への影響が大きい方について、治療の選択肢の一つとして検討します。移植後は、静脈栄養が不要となることや、食事・水分の制限が緩和されることが期待されますが、経過には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。

小腸移植には、脳死ドナーからの移植と生体ドナーからの移植があります。移植後は、タクロリムスとステロイドを中心とする免疫抑制療法が必要です。小腸移植は他の臓器移植に比べて拒絶反応が起こりやすいため、移植後は内視鏡検査と組織検査を繰り返し、拒絶反応の有無を確認します。

日本国内では、〔集計時点〕までに〔件数〕例に対して小腸移植が行われています(出典:〔学会・研究会名、報告年〕)。術後の入院期間や人工肛門を閉鎖する時期は、経過によって大きく異なります。免疫抑制剤の内服は続ける必要があり、感染症や拒絶反応に注意しながら通院を継続します。

小腸移植の模式図

小腸移植の詳しい解説は、当院の医療・健康情報サイトKOMPASの小児小腸移植をご覧ください。

当科では、拒絶反応を早期に発見する方法や、拒絶反応の仕組みを明らかにするための研究にも取り組んでいます。

このページの監修:慶應義塾大学医学部小児外科