小児がん
小児がんとは
小児がんとは、子どもに発生する悪性腫瘍の総称です。大人に多いがんとは異なり、神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、胚細胞腫瘍など、子どもに特徴的な腫瘍が多くあります。腫瘍の種類や年齢、広がりなどに応じて、手術や化学療法などを組み合わせて治療します。発症頻度が大人のがんよりも非常に少ないのも重要な特徴です。
当科で診療している疾患の例
下記に含まれていなくても診療しています
| 神経芽腫群腫瘍 (Neuroblastoma, Ganglioneuroma, Ganglioneuroblastoma, etc) | 副腎や交換神経幹を原発巣とする腫瘍です。発症年齢やその特徴により疾患の悪性度が異なっており、神経芽腫のほか、神経節腫、神経節芽腫などがあります。 |
| 肝腫瘍(肝芽腫・肝細胞がんなど) (Hepatoblastoma, Hepato Cellular Carcinoma, etc) | 肝臓からできる小児腫瘍で最も多いのが肝芽腫ですが、年齢があがると肝細胞がんが増えてきます。その他、他のがんの肝転移に対して治療することもあります |
| 腎腫瘍(腎芽腫・腎細胞がん、腎明細胞肉腫など) (Wilms’ Tumor, Nephroblastoma, Renal Cell Carcinoma, Clear Cell Ssrcoma of the Kidney) | 腎臓からできる小児腫瘍は特徴的な発症年齢がありますが、正確には画像検査や病理組織検査で組織型を適切に診断して治療する必要があります。 |
| 頭蓋外胚細胞腫瘍(奇形腫、卵黄嚢腫瘍、胎児性がん、絨毛癌、セミノーマなど) (Extragonadal Germ Cell Tumor, Teratoma, Yolk Sac Tumor, Embryonal Carcinoma, Choriocarcinoma, Seminoma, Dysgerminoma, Germinoma, etc) | 卵子や精子のもととなる細胞から発生する腫瘍で、卵巣や精巣からできる事が多いですが、おしり(仙尾部)、腹部、胸部などにも発生します。良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があり、年齢や発生部位、腫瘍の種類によって治療法が異なります。 |
| 横紋筋肉腫 (Rhabdomyosarcoma) | 筋肉などの軟部組織から発生する悪性腫瘍の一つで、頭頸部、泌尿生殖器、四肢、体幹などさまざまな部位に発生します。腫瘍の発生部位や広がりなどに応じた集学的治療が必要です。 |
| ユーイング肉腫ファミリー腫瘍 (Ewing Sarcoma Family of Tumors) | 主に骨や軟部組織に発生する悪性腫瘍で、学童期から若年者に多くみられます。骨盤や大腿骨などに発生することが多い一方、軟部組織に発生することもあります。部位に応じた集学的治療が必要です。 |
| 肺腫瘍(肺芽腫、転移性肺腫瘍など) (Pleuropulmonary Blastoma, Pulmonary Metastases, etc.) | 小児に発生する肺の腫瘍には、肺や胸膜などに発生する稀な悪性腫瘍のほか、他の部位に発生した悪性腫瘍が肺に転移した転移性肺腫瘍などがあります。 |
| 膵腫瘍(充実性偽乳頭状腫瘍、膵芽腫など) (Solid Pseudopapillary Neoplasm, Pancreatoblastoma, etc.) | 小児に発生する膵腫瘍には、充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)や膵芽腫などがあります。腫瘍の種類や大きさ、周囲の血管などへの広がりを評価し、手術を中心に治療します |
当院での診療
小児がんが疑われる方について、当院では小児科の血液・腫瘍チームをはじめとする関連診療科と連携をとって診療をしています。小児がん診療チームがそれぞれの得意分野を活かして、連携を取りながら、抗がん薬をもちいた化学療法のほか、手術、放射線治療などを組み合わせた集学的治療をおこないます。
小児外科では主に固形腫瘍とよばれる形(しこり・腫瘤)を作る腫瘍の手術や、抗がん薬などを投与する際に必要となる中心静脈カテーテル挿入留置術などを担当しています。
関連ページ
監修:慶應義塾大学医学部小児外科 助教 狩野元宏